実験動画
2018.12.02
錆と犠牲防食実験


熱処理実験
2018.12.02 15:24 | 固定リンク | 鉄の科学
磁性
2018.11.26
 磁性とは、磁石の性質です。棒磁石を思い出してください。棒磁石には、N極とS極があり、N極同士及びS極同士は反発し、N極とS極は引合います。棒磁石からは、N極からS極に向かって磁力線が出ていますが、この矢印の方向に磁力が働きます。
 磁性という性質は、原子レベルで見ると電子の回転により発生しています。電子は負の電荷を持ち地球のように自転しています。この自転により、電子自体が極小の磁石となります。これが磁力発生の原因です。
 磁性には、強磁性、常磁性、非磁性があります。強磁性とは、磁石のように強い磁力を持っている性質です。常磁性とは、磁石のような磁力はありませんが、磁石を近づけるとつく性質です。非磁性とは、磁力もなく、磁石にもつかない性質です。
原子レベルで考えると、全ての電子磁石の方向が揃いかつ動かない性質が強磁性、通常は、電子磁石はランダムな向きですが、磁石が近づくと一斉に方向が揃う性質が常磁性、常に、電子磁石の方向がランダムで固定されている性質が非磁性です。
鉄は、常磁性と強磁性をもつ代表的な金属です。鉄は、通常は常磁性を示しますが、ある条件で磁化させると強磁性の性質を持ち磁石になります。しかし、鉄の強磁性も温度を上げていくと770℃以上で磁性を示さなくなります。この変化を磁気変態といい、変態温度(=770℃)をキュリー温度といいます。
 鉄以外の金属で磁性を示すのは、強磁性体のニッケルNi、コバルトCo等があります。ステンレス鋼は、鋼にクロムCrとニッケルNiを溶かした合金鋼ですが、成分により磁性が異なります。クロム系ステンレス(13%Cr、18%Cr)は磁石につきますが、クロム・ニッケル系ステンレス(18%Cr-8%Ni)は磁石につきません。

2018.11.26 11:03 | 固定リンク | 鉄の科学
鉄の性質 ⑤電気特性と熱特性
2018.04.01
 金属の電気の通し易さである電導率と熱の伝わり易さである熱伝導率の一覧表を下に示します。

 電導率は大きい程よく電気を通すので、金属では銀Agが一番です。銅Cuは2番目によく電気を通し、銀より安いので電線としてよく使われています。鉄も電気を通し強度が高いので、高圧電線の芯材に使われています。

 熱伝導率も大きい程よく熱を伝えます。表をよく見てください。電導率が大きい順に左から並べていますが、熱伝導率の大きい順番も全く同じになっています。

 電導率と熱伝達率は、伝えるものが電気と熱で全く異なりますが、物理的には、共通性があります。これは、金属の自由電子密度や比重、結晶構造等が影響しています。

  表 金属の電導率、熱伝達率の比較  *単位:電導率1000000S/m、伝導率W/mK
元素名  銀 銅 金 アルミ 亜鉛 鉄 錫 鉛
原子記号 Ag Cu Au Al Zn Fe Sn Pb
電導率  66.7 64.5 45 40 18.1 11.2 10 5.2
熱伝導率 429 401 317 237 116 80.2 66.6 35.3

2018.04.01 10:33 | 固定リンク | 鉄の科学

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